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【保険の賢い選び方】「貯蓄型」と「掛け捨て型」の差は?見直しを考える時の大切なポイントって?

「社会人になったし、生命保険に入った方がいいの?」「結婚して子どもが産まれたけど、生命保険は必要?」など、ライフスタイルが変化するタイミングで生命保険の必要性を感じる人もいるのではないでしょうか。

しかし、一口に生命保険といっても貯蓄型や掛け捨て型など種類はさまざま。どうやって選んだらいいのか分からない人も多いと思います。この記事では、新卒で生命保険への加入を検討しているAさんの相談事例をもとに、「掛け捨て型」と「貯蓄型」の違い、見直しの必要性について解説していきます。

Aさんの生命保険に関する相談事例

・相談者のプロフィール

Aさん(22歳男性・独身)、新卒で一般企業に入社して一年目。現時点での金融資産は預貯金50万円のみ。

・今後の想定

30歳で結婚し、33歳で第一子、36歳で第二子が誕生。Aさんが60歳の時点で第一子、第二子ともに独立。

相談内容

会社に来ていた保険会社の人から生命保険への加入を勧められましたが、「掛け捨て型」「貯蓄型」のどちらに入るべきなのでしょうか。また、将来結婚して子どもをもうけたいと思っていますが、その際に生命保険の見直しは必要なのでしょうか。

現時点での必要保障額、また、見直しした場合としなかった場合の支払い保険料の差についても教えてください。

紹介された生命保険①:定期保険(一例)

定期保険とは、保険期間が決められている死亡保険のことをいいます。いわゆる「掛け捨て型」の生命保険であるため、解約時や満期時の払戻金はありません。

保険期間:60歳まで

保険料払込:60歳まで

死亡保険金:1,000万円

月々の保険料:2,960円

保険期間内は、割安な保険料で手厚い保障を受けることができます。ただし、60歳になると保険料の払込が終わり、以降の保障はなくなります。

紹介された生命保険②:養老保険(一例)

養老保険とは、死亡保障と資産形成の両方をカバーする保険のことをいいます。満期時または死亡時に保険金を受け取ることができ、一定期間、死亡のリスクに備えながら資産形成をすることができます。

保険期間:60歳まで

保険料払込:60歳まで

死亡保険金:1,000万円

満期保険金:1,000万円

月々の保険料:21,630円

60歳までに死亡した場合は死亡保険金1,000万円、60歳に達した時点で生存している場合は満期保険金の1,000万円を受け取ることができます。

生命保険は「自分が死亡した時のリスク」に備える保険

生命保険の保障額は、「自分が死亡した時の損失をカバーできる金額」で設定することをおすすめします。「単身時」「子どもが誕生した時」「子どもが独立した時」で必要な保障額が異なるため、これらのタイミングで適切な見直しをすることが大切です。

また、支払う保険料が多すぎると、収入が減った時の負担が大きくなったり、十分な貯蓄ができないことも考えられます。保険料と貯蓄のバランスも意識するようにしましょう。

定期保険と養老保険、60歳時点での払込保険料の総額は?

上記の相談事例における定期保険と養老保険について、60歳時点での払込保険料の総額はいくらになるのでしょうか。それぞれ確認していきます。

・定期保険

2,960円×12ヶ月×37年=1,314,240円

・養老保険

21,630円×12ヶ月×37年=9,603,720円

60歳時点でAさんが生存していた場合、養老保険では満期保険金1,000万円を受け取ることができます。しかし、定期保険は解約返戻金や満期保険金などを受け取ることができません。

単身の時の死亡保障は最低限に

Aさんの現時点での金融資産は預貯金50万円であることから、まずは貯蓄額を増やしていくことをおすすめします。そのため、掛け捨て型である定期保険で死亡時のリスクに備えながら、生活防衛資金などの貯蓄をしていくとよいでしょう。

また、単身時に死亡した際のリスクは「葬儀費用」「死後の整理費用」などが挙げられます。単身時の死亡保障はこれらの費用を補うイメージで設定しましょう。

「紹介された生命保険①:定期保険」の死亡保険金は1,000万円ですが、上記の費用を補うのであれば500万円で十分でしょう。死亡保険金を少なくすると、その分月々の支払い保険料も安くなります。

貯蓄と保険のバランスを意識する

前述のとおり、生命保険の保障額は「自分が死亡した時の損失をカバーできる金額」を設定します。つまり、保険は「貯蓄だけで対応できないリスク」をカバーする目的があります。

収入に対して支払う保険料が多すぎると、十分な金額を貯蓄に回すことができません。死亡以外のリスクに備えるためにも、貯蓄をしながら支払うことができる保険に加入することが大切です。

Aさんの場合、現時点での貯蓄が少ないことから、「葬儀費用」「死後の整理費用」を補うための定期保険に加入するのが賢い選択ではないでしょうか。

適切な見直し方法を検討しよう

Aさんは、アドバイスに従って以下の定期保険に加入しました。

○○生命 定期保険

保険期間:60歳まで

保険料払込:60歳まで

死亡保険金:500万円

月々の保険料:1,460円 ⇒60歳時点での払込保険料の総額:648,240円

さて、今後子どもが産まれた時や独立した時に保険の見直しは必要なのでしょうか。結論からお伝えすると、見直しは必須です。

ここでは、Aさんの場合の保険の見直し方法の一例を紹介します。

最も賢い生命保険の見直し方法は?

Aさんは子どもを2人希望しているため、養育費や生活費を考慮する必要があります。そのため、以下のイメージで死亡保険金を設定していくことをおすすめします。

単身時⇒最低限の死亡保障(自身の葬儀費用・死後の整理費用のみ)

子どもが誕生した時⇒手厚い死亡保障(養育費や生活費も含む)

子どもが独立した時⇒最低限の死亡保障(配偶者の生活費・自身の葬儀費用・死後の整理費用)

単身時に加入した○○生命の定期保険を60歳まで継続し、子どもが誕生した時(Aさんが33歳の時)に以下の終身保険に加入するパターンを紹介します。

○○生命 終身保険

保険期間:終身

保険料払込:65歳まで

死亡保険金:500万円

月々の保険料:13,235円 ⇒65歳時点での払込保険料の総額:5,082,240円

終身保険とは、死亡保障が一生涯続く保険であり、資産形成の側面も併せ持った「貯蓄型」といわれる保険です。

見直した場合の払込保険料の総額は?

上記の見直し方法で保険を設定した場合、65歳までの払込保険料の総額はいくらになるのでしょうか。

・単身時~子ども誕生まで:○○生命の定期保険に加入(死亡保険金500万円)

1,460円×12ヶ月×10年=175,200円

・子ども誕生~子ども独立まで(60歳):上記の保険に併せて○○生命の終身保険に加入(死亡保険金500万円)

定期保険 1,460円×12ヶ月×27年=473,040円

終身保険 13,235円×12ヶ月×27年=4,288,140円

・子どもが独立してから:終身保険のみ(払込満了⇒65歳)

終身保険 13,235×12ヶ月×5年=794,100円

65歳までの払込保険料総額:5,730,480円

見直し前と比較してみよう

見直し前の定期保険(死亡保険金:500万円)のみの場合、Aさんが死亡した時に子どもの養育費・生活費が不足することが考えられます。また、定期保険は保険期間が60歳までのため、60歳以降の保障が不足してしまいます。

Aさんが33歳時点で終身保険に入ることで、上記のリスクをカバーできるのではないでしょうか。

見直し前の払込保険料の総額:648,240円

⇒子どもができた時の保障が不足し、60歳以降の死亡保障がない

見直し後の払込保険料総額:5,730,480円

⇒子どもができた時の保障を手厚くし、死亡保障(500万円)も一生涯続く

まとめ

生命保険の加入時には、「自分が死亡した時のリスク」がどのくらいであるかを考えることが大切です。リスクはライフスタイルの変化によって変わってくるため、適切な見直しが必要です。

Aさんの事例を自分自身に当てはめながら、最も賢い生命保険の加入方法を検討しましょう。


ニッセイ みらいのカタチ 定期保険

https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/mirainokatachi/teiki/

※月々の保険料は一例をもとに概算したもの

ニッセイ みらいのカタチ 養老保険

https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/mirainokatachi/yoro/

※月々の保険料は一例をもとに概算したもの

ニッセイ みらいのカタチ 終身保険

https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/mirainokatachi/shushin/

※月々の保険料は一例をもとに概算したもの

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マル得ウェブ編集部

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