資産形成

親に頼りたくない子供が大人になっても苦労しない資産形成方法とは?

 2024年から、新NISAがスタートします。今までのNISAの種類は「一般NISA」、「積立NISA」、「ジュニアNISA」の3種類が存在しており、我々日本人はそれらを使い分ける方法で資産運用をしてきました。

 しかし、2024年からは3種類のNISAでの新規での買い付けがストップして(既存分の資産を引き続き運用することは可能)、更に強力な新NISAに統一されることになります。新NISAでの生涯非課税投資枠は1,800万円までであり、この新NISA枠を上手に使いこなせるか否かで、将来における保有資産額にも大きな影響が生まれることは間違いないでしょう。

 また近年では若者を中心にFIRE(経済的自立、早期退職)のブームが巻き起こっており、特に若者を中心にFIREを達成して自分らしく生活をしたいと志す者も増えてきています。また親に頼るのではなく、自分の資産は自分自身で形成をしたいと考えている人もたくさんいらっしゃるでしょう。

 では親に頼ることなく、自分で得た収入で実際にFIREなど達成することは可能なのか。結論から言うと、若い内からFIREに向けて投資を継続していけば、比較的再現性高くFIRE達成は可能であると考えます。複利の力で投資がより効果的になっていくからです。可能であれば、新NISAでの投資が可能となる20歳の時点で投資をスタートさせるのが望ましいでしょう。

 前置きが長くなりましたが、新NISAを活用したFIRE達成に向けての再現性の高い方法を見ていきましょう。

FIREとは

 まずはFIREの定義をはっきりさせておきましょう。FIREとは端的に言うと年間の生活費よりも年間の資産所得が上回る状態のことを指します。

 例えば、年間の生活費が240万円(毎月20万円)として株式や債権などの配当金・利子が240万円を上回っていれば働かなくても生活をしていくことが可能となります。

 もしくは「4%ルール」という資産取り崩しによるFIREも可能です。例えば積立した投資信託の残高が6,000万円に達したとします。6,000万円の4%は240万円なので、計算上は6,000万円の資産を作り出すことが出来てもFIRE達成となります。

 しかし普通に考えたらこの計算で資産を取り崩し続けると25年で資産が無くなってしまうと疑問に思った人もいると思いますが心配は不要です。資産が無くなるどころか、運用しながら取り崩すので資産はもっと長生きしてくれます。

 1998年にアメリカのトリニティ大学で「トリニティ・スタディ」という研究で驚愕の答えを導き出したのです。

再現性の高い資産形成方法とは

 前述した通りに自らの生活費に応じた資産を形成することが出来たらFIREを達成することが出来ることが理解頂けたと思います。

 それでは如何にして再現性高く、FIREに準ずる資産を作るのでしょうか。答えは毎月優良のインデックスファンドを購入し続けることです。では、毎月どのような商品を何を購入するべきなのでしょうか。結論は以下の商品です。

①S&P500に連動している投資信託

(例)SBI・V・S&P500

      eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

②MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動している投資信託

(例)SBI・V・全世界株式

   eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

 他にも、オススメしたいファンドはありますが、これから投資を始めようとする人もいらっしゃることでしょうから、今回特にオススメできる2つのベンチマークに連動する商品に絞って解説させて頂きます。

・S&P500について

 S&P500とは、世界最大の経済大国であるアメリカの代表的な株価指数の1つです。S&P500は米国株式市場全体に対し、約80%の時価総額比率を占めていることから、概ね米国市場全体の動きを反映していると言えます。

 また、市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれた500銘柄を時価総額で加重平均したものであり、わかりやすく例えるならば「アメリカごと買う」というイメージになります。

・MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(愛称:オルカン)について

 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとは、先進国23カ国と新興国24カ国(2022年3月末時点)の47カ国の大型株と中型株で構成される株価指数です。約3000銘柄を時価総額で加重平均したものであり、わかりやすく例えるならば「世界丸ごと買う」というイメージになります。

 2つの指数に共通している点が3つあります。

 1点目は「分散」が効いているということです。S&P500はアメリカの企業500社に、オルカンは世界中の企業約3000社を薄く広く買えるので、充分な分散が効いていると言えます。

 2点目は「新陳代謝」が効いているということです。業績の悪化等により、ベンチマーク不適格と判断をされると、その企業の代わりに、業績好調や成長性の期待できる企業等に運用会社が自動的に入れ替えてくれます。常に今をときめく業績好調な企業に分散投資できると考えると安心して長期投資も可能ですね。

 3点目は手数料が格安ということです。投資信託では、ファンドを保有しているだけで毎年発生する費用として「信託報酬」というものが存在します。当たり前ですが、その手数料は低ければ低い方が長期的にみて大きな運用益に繋がります。

上記の商品の信託報酬は以下の通りです。

・SBI・V・S&P500  ・・・0.0938%程度

・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・0.0968%以内

・SBI・V・全世界株式 ・・・0.1338%程度

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)・・・0.1144%以内

 いずれも格安ですね。例えば、SBI・V・S&P500を100万円分保有していたと仮定します。その際にファンド保有者が運用会社に支払う信託報酬は年間で約938円となります。1日あたりに換算すると約2.6円で、ファンドの入れ替え等の管理を代わりに行ってくれるのですから、手数料は格安と言っても過言ではありませんね。

 そして各ベンチマークの設定以来の年間平均リターンですが、S&P500が約10.7%、オルカンが7.63%となっています。この期間の中には、リーマンショック等の不況を何度も含んでいますが、長期的にみると上記のように高水準をキープできています。また上記のような優良投資商品に15年以上長期投資をした場合、ほとんどのケースでプラスリターンとなっているというデータも出ています。

まとめ

 もし今回例に挙げた年間生活費が240万円の人のケースですと、投資信託の残高が6,000万円必要となります。

 仮に毎月5万円分をS&P500に連動している投資信託に投資し続けた場合だと、約24年で資産6,000万円を達成することができます。投資における複利の力は凄まじいものがありますね。

 新NISAで20歳から毎月上記の内容で投資をし続けると45歳までにはFIRE達成となるので投資のモチベーションも高まるはずです。

 皆さんで効率的に優良インデックスファンドに投資をしてFIREを目指していきましょう。


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マル得ウェブ編集部

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