節約・節税

【フリーランス必見】個人事業主の節税方法3選!支払う税金の種類と節税時の注意点を解説

コロナ禍で働き方が多様化し、個人事業主として開業届を出す人、会社員をしながら副業をする人などが増加しています。平成30年に厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」においても、国が主体となって副業・兼業を後押ししています。

本記事では、フリーランス(個人事業主)が支払う税金の種類をはじめ、主な節税方法や節税時の注意点についても解説していきます。

個人事業主が支払う税金と主な控除

フリーランスとは、自身の知識やスキルを活かして個人で仕事を請け負う「働き方」のことをいいます。その中でも「個人事業主」は、税務署に開業届を提出し、継続して事業を行う人のことを指します。「自営業」は、個人事業主に加え会社を立ち上げて事業を行う人も含みます。

サラリーマンが支払う税金は、給与から直接天引きされます。しかし、フリーランスで働く人は自分で税金を納めなければなりません。フリーランスが支払う税金にはどのようなものがあるのでしょうか。控除についても確認していきましょう。

個人事業主が支払う税金4つ

個人事業主が支払う税金として、主に「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」の4種類があげられます。

サラリーマンには馴染みのない税金として「個人事業税」があげられます。1年間の所得が290万円を超えた場合、業種に応じた税率を掛けることにより額が決まります。

「消費税」は基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで納税の有無が異なります。

それぞれ税金の計算方法や適用要件は異なります。また、定められた期限までに税金が支払われていないと延滞税が発生します。不明な点は国税庁のHPで確認するか、場合によっては税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

青色申告特別控除とは?

開業届と青色申告承認申請書を出している人は、e-Taxによる確定申告により65万円の青色申告特別控除がうけられます。

個人事業主の所得税は、所得が増えるほど税率も高くなる累進課税となっています。所得額から青色申告特別控除の65万円を控除することにより、支払う所得税が少なくなります。

その他の所得控除

個人事業主がうけられる控除は、青色申告特別控除以外にもさまざまな控除があります。控除は個人の状況によって加味されるため、一般的な部分はサラリーマンと大きく変わりません。

所得控除の代表例は以下のとおりです。

・社会保険料控除

・生命保険料控除

・基礎控除

・配偶者控除

・扶養控除

など

支払う税金を少なくするためにも、個人事業主は青色申告特別控除をはじめ所得控除の要件をよく確認する必要があります。

個人事業主の節税方法

前述のとおり、所得控除の一般的な部分は、サラリーマンと大きく変わりません。では、サラリーマンにはない個人事業主の節税方法としてどんなものがあるのでしょうか。個人事業主ができる節税対策として、以下の3つを紹介します。

・必要経費の計上

・国民年金基金

・家事按分

必要経費の計上

個人事業主が仕事をする上でかかった費用は経費として計上できます。事業の収入を得るために発生した費用、販売費や管理費などの業務上の費用などが当てはまります。具体的な支出の一例として、下記の項目があげられます。

・ノートパソコン

・業務に使用した書籍

・名刺、パンフレットなどの印刷費

・交通費

・文房具などの事務用品費

など

ただし、業務と関係ない私的な支出は経費として計上することができません。事業とプライベートの支出を分けるためにも、ビジネス用のクレジットカードを作るなどの対策を行いましょう。

国民年金基金

国民年金基金とは、フリーランスなどの国民年金第1号被保険者が加入できる制度です。国民年金に上乗せして加入できる公的年金制度であり、サラリーマンの厚生年金のような役割を果たしています。

月々の掛金は加入口数、選択したプラン、加入時の年齢などによって異なります。また、掛金は全額所得控除の対象となります。

家事按分

フリーランスで働く人の中には、自宅を仕事場として使用している人もいます。自宅を仕事場にしている場合でも、仕事で使用する割合に応じて家賃や光熱費を経費に計上することができます。これを「家事按分」といいます。

また、家賃や光熱費だけでなく、通信費や自動車関連費についても業務で使用した割合に応じて経費に計上できます。ただし、必要以上の按分率で経費計上すると、税務調査で指摘をうける可能性があります。業務で使用した割合を明確にして計上しましょう。

節税対策をする際の注意点は?

個人事業主が節税対策をする際の注意点として、以下の3点があげられます。

・会計ソフトを利用する

・仕事とプライベートの支出を明確に分ける

・レシートや領収書を保管する

会計ソフトを利用する

会計ソフトとは、業務上の収入や経費などの支出を入力するだけで会計処理のサポートをしてくれるソフトのことをいいます。事業の経営状況が分かるだけでなく、確定申告に必要な書類を作成することができるため、フリーランスで働く人には必須のソフトといえます。

会計ソフトには、サブスクリプションで利用できる「クラウド型」と、買い切り型でインストールが必要な「インストール型」があります。自分に合った会計ソフトを利用するようにしましょう。

仕事とプライベートの支出を明確に分ける

前述のとおり、個人事業主が仕事をする上でかかった費用は経費として計上できますが、業務と関係ない私的な支出は経費として計上することができません。以下の例はプライベートの支出にあてはまります。

・健康のために通うジムの利用料

・業務で着用するスーツの代金

・空き時間に利用したカフェの料金

など

サラリーマンは福利厚生としてジムの利用、健康診断が利用できます。しかし、個人事業主は、事業主自身の健康診断にかかる費用を経費として計上できません。また、カフェの料金についても、打ち合わせで利用する場合は経費に計上できますが、空き時間のカフェ利用は私的な支出とされるため、注意が必要です。

レシートや領収書を保管する

経費として計上する際は、金額が正しいことを証明するための書類としてレシートや領収書が必要です。

レシートや領収書がもらえなかった場合、もらい忘れてしまった場合でも、クレジットカードなどの利用明細で客観的に金額が証明できるものがあれば問題ありません。経費を明確に計上するためにも、事業用のクレジットカードを利用したり、領収書をファイリングするなどの対策がおすすめです。

まとめ

本記事では、個人事業主が支払う税金の種類をはじめ、主な節税方法や節税時の注意点について解説しました。

個人事業主の節税方法の一例として、「必要経費の計上」「国民年金基金」「家事按分」を紹介しました。その中でも、経費の計上はプライベートの支出と明確にすることが大切です。

所得控除や経費の計上を正しく行い、税金の払い過ぎを防ぎましょう。


厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf

「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」

https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210326005/20210326005-1.pdf

個人事業税 | 税金の種類 | 東京都主税局

https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

令和4年分 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 個人事業者用(一般用)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi_kojin/r04/pdf/01-01.pdf

No.9205 延滞税について|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm

No.2070 青色申告制度|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm

No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

全国国民年金基金

https://www.zenkoku-kikin.or.jp/

国民年金基金とは?加入すべきか専門家が徹底解説│個人事業主・フリーランス

https://www.ncbank.co.jp/lp/2020_nenkinkikin/

〔家事関連費(第1号関係)〕|国税庁

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/07/01.htm

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マル得ウェブ編集部

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