節約・節税

電気料金を従量制にすると得な人、自由料金(新電力)にすると得な人って?

大手電力会社の電気料金が6月使用分から値上げされます。

経済産業省が2023年6月27日に発表した記事によると、値上げ幅は14%〜42%となり、家計に大きな影響を与えます。

2023年1月〜9月使用分までとされていた国による電気・ガス料金負担の激変緩和措置8月30日の岸田首相の会見で延長が発表されましたが、具体的な金額やスケジュールは不明です。

今後の電気代に不安を感じている方や、電気代を安くするために電力会社やプランの変更を検討している方も多いでしょう。

この記事では電気料金の種類やしくみ、それぞれのプランにどんな人が向いているのかを解説します。

料金プランごとの違いや電気代が高騰している理由を理解すれば、最適なプランを選ぶ際の参考になります。

多くの料金プランの中からあなたにピッタリなプランを選んで、電気代を節約しましょう。

電気料金の種類

2016年4月に電力の小売が全面自由化され、家庭でも電力会社が自由に選べるようになりました。

自由化以降の電気料金には次の2種類があります。

  • 規制料金
  • 自由料金

規制料金とは、電力自由化以前から地域大手電力会社が提供していた料金プランです。

消費者保護の観点から、値上げに上限が設けられており、料金変更には国の認可が必要です。

東京電力や関西電力の従量電灯プランなどが規制料金に該当し、従量制プランと呼ばれることもあります。

自由料金とは、電力自由化以降にできた料金プランです。

電力会社がプランの内容や単価を自由に決めたり変更したりでき、国の認可は必要ありません。

電力自由化以降に参入した新電力と呼ばれる電力会社が提供するプランは、すべて自由料金プランに該当します。

また、地域大手電力会社は規制料金プランのみでなく自由料金プランも販売しています。

東京電力のスタンダードプランや夜トクプランなどは自由料金プランです。

電気料金のしくみ

電気料金は次の4つで構成されています。

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 燃料費調整額
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)

基本料金は電気の使用量にかかわらず発生する料金です。契約アンペア数などにより決められます。

電力量料金は電気の使用量に応じて発生する料金です。使用量が多いほど高くなります。

燃料費調整額は、発電に使う燃料の調達コストのうち消費者が負担する分です。

燃料価格は世界情勢により変動しやすく、電力会社と消費者とで燃料費を負担しています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は再エネ賦課金とも呼ばれ、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電を促進するための料金です。

再生可能エネルギーによる発電は化石燃料に比べて発電コストが高く、電力会社が再生可能エネルギー買取にかかった費用のうち、一部を消費者が負担しています。

電気代が高騰している理由

電気料金の内訳は次の4つです。

基本料金電気の使用量にかかわらず発生する料金
電力量料金電気の使用量に応じて発生する料金
燃料費調整額燃料価格の変動に対応するための調整料金
再エネ賦課金再生可能エネルギーによる発電を促進する料金

上の4つのうち、電気代高騰の理由の一つが燃料費調整額で、主に燃料価格の上昇と円安が要因です。

火力発電に必要な原油や石炭、LNG(液化天然ガス)などの燃料価格が、世界的な脱炭素の流れやロシアによるウクライナ侵攻の影響により高騰しています。

また、燃料の多くは輸入しているため円安も影響しています。

燃料費調整額は規制料金プランでは上限が設けられていますが、自由料金プランには上限がありません。

燃料費調整額に上限がない自由料金プランは、燃料価格が電気料金にダイレクトに反映され、規制料金よりも電気料金が高くなりました。

一方、燃料費調整額に上限のある規制料金プランは高騰した燃料費を電気料金に反映できず、大手電力会社は大きな赤字となりました。

大手電力会社は規制料金プランの値上げを国に申請し、2023年6月使用分から電気代の値上げが決定しています。

規制料金プランの値上げに伴い、自由料金プランの多くも料金改定しており、電気料金の高騰が止まりません。

規制料金(従量制)プランに向いている人

規制料金が値上がりし、自由料金も追随している今、規制料金プランと自由料金プランのどちらを選べばよいか迷う方は多いでしょう。

次の方は規制料金プランが向いています。

  • 急な電気料金の変更を避けたい方
  • 大幅な値上げリスクを抑えたい方
  • 安定したサービスを受けたい方

規制料金の料金やサービス変更には国への申請と許可が必要なため、時間がかかります。

急に翌月から料金が大幅に上がることはありません。

安定したサービスや料金体系を求める方には大手電力会社が提供する規制料金プランが適しているでしょう。

自由料金(新電力)プランに向いている人

新電力が提供する自由料金プランに向いているのは次の方です。

  • 少しでも電気料金を安くしたい方
  • 電気料金に関わる情報に敏感な方
  • 料金比較や変更手続きが苦にならない方

自由料金プランには割安なプランもあるため、電気料金を節約したい方に向いています。

しかし、自由料金プランは値上げに上限がなく、燃料価格の影響を受けて料金が変動しやすいプランです。

燃料価格の変動が大きい場合、予想外の高額な電気料金が請求される可能性があるため、電気料金に関わる最新情報を注意深くチェックする必要があります。

また、自由料金プランには多くの新電力会社が参入し、選択肢が豊富です。

他社との料金比較や変更手続きが苦にならない方にも自由料金プランはおすすめです。

ガスと電気は同じ会社でまとめた方がよい?

安さを追求する場合は、ガスと電気のセットはおすすめしませんが、支払いや契約管理を一本化したい場合は、まとめると便利です。

一つの会社でガスと電気をまとめると、セット割やオプションサービスが適用されますが、必ずしも最安の料金プランではありません。

ガスと電気をそれぞれ別会社の最安プランで契約した方が、料金はお得になります。

たとえば、大阪ガスのプラン「スタイルP」では、契約期間中Amazonプライムの年会費を負担するサービスが付帯します。

料金のみで見れば最安プランではありませんが、付加価値も考慮すれば魅力的に感じる方もいるでしょう。

ガスと電気を同じ会社で契約した方がよいかは、それぞれのニーズにより異なります。

契約する会社を選択する際は、自身のニーズを明確にしたうえで、住んでいる地域のガスと電気のセットプランとガスと電気別々のプランを複数比較検討しましょう。

まとめ

電気料金には規制料金と自由料金があります。

規制料金は電力自由化以前からある料金プランで、値上げに上限が設けられており、料金変更には国の認可が必要です。

自由料金は電力自由化以降にできた料金プランで、電力会社がプランの内容や単価を自由に決めたり変更したりできます。

燃料価格の上昇や円安の影響により、規制料金も自由料金も高騰している中、それぞれのプランに向いているのは次の方です。

規制料金(従量制)プランが向いている方

  • 急な電気料金の変更を避けたい方
  • 大幅な値上げリスクを抑えたい方
  • 安定したサービスを受けたい方

自由料金(新電力)プランが向いている方

  • 少しでも電気料金を安くしたい方
  • 電気料金に関わる最新情報に敏感な方
  • 料金比較や変更手続きが苦にならない方

電気代の安さを追求したい方は新電力による自由料金プランがおすすめですが、燃料費の変動や料金プランの急な変更には注意が必要です。

規制料金には急な値上げリスクがないため、安定性を優先させる方におすすめです。

また、ガスと電気のセットプランは、安さを追求する方にはおすすめしません。

しかし、セットにすれば支払いや契約管理が一本化できたり、さまざまなオプションが付帯されたり、ニーズに合えば魅力的なプランです。

電気代に対するニーズやライフスタイルにあわせて、あなたに適したプランを選び、電気代の高騰を乗り切りましょう。


  • この記事を書いた人

マル得ウェブ編集部

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