節約・節税

フリーランスが得する裏ワザは?税金は社会保険料はどうなの?

フリーランスとして働こうと考えていても、税金や社会保険料など、お金について不安な人は多いでしょう。

財務省が令和5年2月に公表した令和5年度の国民負担率は46.8%でした。国民負担率とは、国民所得に占める税金や社会保障費の割合のことです。

国民負担率は20年前は34.1%、10年前は40.1%で、年々負担は増えています。コロナ禍のピークより減少してはいるものの、国民負担率は5割に近い数値です。

この記事では、フリーランスとして働く際の経済面での不安をお持ちの方に向けて、フリーランスが税金や社会保険料で得する方法を解説します。

会社員として働き続けることに不安を感じ、自由な働き方をしたいと思いつつも、お金に不安を感じている方に役立つ情報です。

税金や社会保険料についての知識を得て、あなたに最適な働き方をぜひ見つけてください。

フリーランスの手取り収入は?

フリーランスの手取り収入について考えたことはあるでしょうか。

会社員の平均年収である400万円を個人事業主として稼いだ場合の手取りを計算してみたところ、社会保険と税金で約100万円かかり、手取り収入は約300万円になることが分かりました。

手取りは個人事業主シミュレーションで簡単に計算できます。

今回は東京都世田谷区在住の40歳〜65歳未満、独身、青色申告ありのフリーランスを条件として入力しました。

参考サイト:税金・社会保障教育 個人事業主シミュレーション

社会保険料として国民健康保険と国民年金で約60万円、税金として所得税と住民税で約40万円、合計約100万円が引かれて手取りは約300万円です。

個人事業主が入る主な社会保険は国民年金と国民健康保険です。

国民年金とは国民全員が加入する年金で、収入が増えても保険料は変わりません。

もう一つの国民健康保険は収入が増えると保険料が上がります。

個人事業主にかかる税金は所得税と住民税です。

所得税と住民税のもととなる課税所得は経費やさまざまな控除を活用して減らす方法は多くあります。

一方、社会保険料は負担額が大きいうえに抑えることが難しいです。

そこで、フリーランスが社会保険料を抑える方法を解説します。

フリーランスが得する方法は?

フリーランスは個人事業主の他にマイクロ法人を設立すると税金と社会保険料を抑えられてお得です。

マイクロ法人とは一人で経営をおこない、株主や取締役も一人のみで構成される小規模な法人を指します。

個人事業主がマイクロ法人を設立すると、社会保険が国民年金と国民健康保険から会社の健康保険と厚生年金に切り替わります。

マイクロ法人を設立しても個人事業主として事業は続けますが、社会保険料はマイクロ法人側で払うため、個人事業主として支払う必要はありません。

加入する社会保険
個人事業主マイクロ法人の会社員
国民年金厚生年金
国民健康保険健康保険

個人事業主が入る国民年金は収入が増えても保険料は変わらず、国民健康保険は収入が増えると保険料が上がる仕組みでした。

マイクロ法人の会社員が入る厚生年金と健康保険も収入が増えると保険料が上がります。しかし、役員報酬を最低限にすれば保険料を抑えられます。

では、マイクロ法人を設立するといくらくらいお得になるのでしょうか。年収400万円のフリーランスの例で具体的に計算してみましょう。

マイクロ法人を設立した場合の社会保険料は?30万円節約?

年収400万円のフリーランスがマイクロ法人を設立して個人事業主と収入を分けると、社会保険料を約30万円節約できます。

マイクロ法人の役員報酬を必要最低限にすれば、社会保険料の大幅な節約が可能です。たとえば、役員報酬を月額45,500円に設定します。

全国健康保険協会の令和5年3月(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)によると、報酬月額45,000円の場合の健康保険料は月5,800円、厚生年金保険料は月16,104円で、年額約26万円です。

マイクロ法人の役員報酬を上げない限り、社会保険料年額約26万円は固定されます。

年収400万円の個人事業主の社会保険料は、国民健康保険と国民年金で約60万円でした。

年収は同じでも、マイクロ法人を設立すると社会保険料が約30万円以上安くなります。

また、扶養家族がいる場合には、さらなるメリットがあります。

扶養家族の健康保険料と年金保険料を払わなくても健康保険や国民年金に加入できるのです。

個人事業主が入る国民健康保険には扶養の概念がなく、扶養家族分の保険料が必要です。

しかしマイクロ法人の社員になれば、扶養の概念がある健康保険に加入できるため、扶養家族分の保険料を支払わなくても保障が受けられます。

個人事業主が入る国民年金の場合も、夫婦二人で保険料を支払わなくてはいけません。

マイクロ法人の社員になれば厚生年金になるため、配偶者は第3号被保険者となり、保険料を支払うことなく国民年金に加入できます。

扶養家族が多いほどお得になり、個人事業主の場合とマイクロ法人を設立した場合とでは年間数十万円以上は差が出るでしょう。

なお、マイクロ法人の役員報酬が月額45,500円の場合、役員報酬の所得税と住民税は非課税です。

年間1,625,000円までの給与の場合、55万円が給与所得控除として認められます。

役員報酬が月額45,500円の場合は年収546,000円となり、給与所得控除55万円以内のため、所得税と住民税がかかりません。

マイクロ法人を設立して役員報酬を月額45,500円にすれば、社会保険料を年額約26万に固定できるうえ、役員報酬の年額546,000円は所得税と住民税が非課税で受け取れます。

ただし、個人事業主とマイクロ法人は別の事業にしなければいけません。

それぞれの事業が同じだと税務署に実質同じ収入とみなされ、まとめて課税される可能性があるためです。

個人事業主でエンジニア、マイクロ法人ではせどりなど、異なる事業で届出をしましょう。

まとめ

一人社長はビジネスを最適化すれば、ゆとりある自由な働き方を継続できます。

今回はフリーランスが税金や社会保険料で得する方法を解説しました。

  • マイクロ法人を設立し、個人事業主と売上を分ける
  • マイクロ法人の役員報酬として月額45,500円を受け取る
  • マイクロ法人の社員として社会保険料(健康保険、厚生年金)に加入する

上の3つをすることで、次のメリットがあります。

  • 社会保険料の節約
  • 個人事業主でいくら稼いでも社会保険料は固定
  • 扶養家族分の保険料を支払うことなく健康保険や国民年金に加入可能
  • マイクロ法人の役員報酬は所得税と住民税が非課税

社会保険料はマイクロ法人の社員として払うため、個人事業主として支払う必要はありません。

個人事業主の事業と社会保険料との連動を切り離したため、個人事業の収入が増えても社会保険料は固定され、上がる心配がありません。

個人事業の方で売上を上げ、経費やさまざまな控除を活用して節税すれば、手取り収入は増えます。

税金や社会保険を最適化すればフリーランスでもゆとりある生活は可能です。今回得た知識を武器に、ぜひ新たな働き方にチャレンジしましょう。


財務省 令和5年度の国民負担率を公表します

令和5年2月21日

https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/20230221.html

  • この記事を書いた人

マル得ウェブ編集部

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