保険

【保険の再考】50代・60代が入ると損する生命・医療保険はどんなケースなの?

50代に入り、健康や生活設計に対する不安の高まりを感じている方も多いでしょう。

この記事では、50代・60代のリスクと必要な保険プランの考え方を解説します。

具体的な事例を基に保険料比較もするので、必要な保険選びのヒントを得られるでしょう。

自分と家族が安心できる未来のために、あらためて保険について考えてみてください。

50代・60代の保険加入状況

50代と60代の日本人の多くが生命保険に加入しています。

生命保険文化センターが2021年12月に発表した「2021年度生命保険に関する全国実態調査」によると、50代後半の生命保険加入率は全年代の中で最も高く、94.8%でした。

全体89.8%
50〜54歳93.0%
55〜59歳94.8%
60〜64歳92.4%
65〜69歳93.8%

参考:生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」図表Ⅰー3生命保険・個人年金保険の世帯加入率(全生保)(世帯主年齢別)

50代はライフスタイルが変わる時期です。

病気のリスクも高まることから、生命保険の見直しが多くおこなわれます。

一方、60代になってから新たな保険に乗り換えようとすると保険料が割高になる可能性が高く、既往症などにより審査に通らないリスクも上がります。

保険の見直しや新たな保険への加入を検討する場合は、早めの手続きが必要です。

50代・60代で考えたい生命保険・医療保険

50代・60代は生活状況や健康状態が大きく変わる年代です。

そこで、とくに考慮すべきなのは「万が一の備え」と「将来の医療費」です。

必要な死亡保障や高度な医療保障を備えた生命保険を選びましょう。

万が一の備え:死亡保障

50代・60代は家庭の状況と将来のリスクに合わせた死亡保険を選びましょう。

死亡保障の保険金額は、子どもの養育状況や住宅ローンの返済状況により異なります。

たとえば、子どもが独立した場合に必要な死亡保障額は減りますが、子どもがこれから大学進学を控えている場合は、ある程度高額な保険金が必要です。

また、住宅ローンが残っている場合は死亡保障を残高にあわせて設定し、配偶者や子どもに負担をかけないような備えが大切です。

三大疾病への備え:医療保険

50代・60代は病気にかかるリスクが上がる年代のため、がんなどの三大疾病に備えられる保険への加入を検討しましょう。

三大疾病とは、日本人の死因上位3つであるがんや心疾患、脳血管疾患を指し、この3つで日本における死亡原因の50%近くを占めています。

50代・60代は人により、教育費がピークを迎えたり、介護が始まったりする時期です。

同時に病気やケガのリスクが一気に高まる年代でもあるため、突然の病気で治療費やリハビリ費がかかったり、仕事ができなくなって収入が減ったりすると家計に大きなダメージを与えます。

若いときはあまり深く考えず医療保険に入っていた方も、50代・60代になり、生活習慣病やそれに伴い発生する危険性のある三大疾病についての備えが必要です。

田中さんの例 55歳男性既婚・子ども2人(高校生・大学生)

田中さんは、妻と高校生と大学生の2人の子どもを持つ55歳のサラリーマンです。

一家の大黒柱として毎日一生懸命働いていたところ、友人が突然の病気で入院したと知らされ、自身と家族の未来について真剣に考え始めました。

友人の家族が医療費や今後の生活費で困っているという話を聞き、何かしらの備えが必要だと強く感じたのです。

田中さんの子どもたちは大学生と高校生のため、教育費などに必要なお金が増えてきています。

また、自分と妻も年をとるにつれて健康面でのリスクの高まりを感じており、それらに備えるため死亡保険と医療保険を見直すことにしました。

田中さんの死亡保険

最初に田中さんが50代の死亡保険金額を調べたところ、55〜59歳の死亡保険金額は2,312万円でした。

全体2,027万円
50〜54歳2,296万円
55〜59歳2,312万円
60〜64歳2,033万円
65〜69歳1,478万円

参考:生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」図表Ⅰー31世帯普通死亡保険金額(全生保)(世帯主年齢別)

田中さんは現在1,000万円の定期死亡保険に加入しています。

遺族年金などを考慮して、追加で500万円の死亡保険に加入することにしました。

保険期間10年の定期保険の保険料は月額3,332円です。

一方、終身保険も気になり調べてみると、500万円の終身保険の月額保険料は13,520円でした。

現在加入している1,000万円の定期死亡保険は末子が大学卒業後には満期を迎えます。

今、検討している死亡保険の保障を一生涯続けるためには定期と終身のどちらがいいのか計算してみました。

厚生労働省が発表した平成22年簡易生命表によると55歳男性の平均余命は27.07歳のため、82歳まで生きたと仮定して計算します。

定期保険の場合、更新するたびに保険料は上がります。

しかし、一生涯同じ保険料が続く終身保険と比較しても、定期保険の方が総支払い保険料は安くなり、差額は928,320円でした。

ただし、定期保険の場合、85歳以上は保障がなくなるため注意が必要です。

55〜64歳65〜74歳75〜82歳総支払い保険料
定期保険月額保険料3,332円7,856円23,665円3,614,400円
終身保険月額保険料13,520円4,542,720円
差額928,320円

参考:オリックス生命保険 保険料シミュレーション

田中さんの医療保険

次に田中さんは医療保険についても見直しを始めます。

がん保険も気になりましたが、特定の疾病に限らず、さまざまな疾病や手術に対応している総合型医療保険を選び、見積もりしてみました。

保険期間10年の定期保険の保険料は月額2,070円です。

一方、終身保険の月額保険料は3,075円でした。

55歳時点では定期保険の方が終身保険より保険料が安いものの、定期保険は更新するたびに保険料が上がります。

最終的な総支払い保険料は、定期保険の方が終身保険より253,824円高くなりました。

なお、75歳で入れる定期医療保険は非常に少なく、終身医療保険に75歳時点で加入した場合の保険料で計算しています。

医療保険は70歳を過ぎると入れる保険の種類が減り、保険料も高額です。

また、更新時に既往症などがあれば入れる保険はさらに限られ、最悪の場合保険に加入できないケースも考えられます。

医療保険はできるだけ若く健康なうちに、終身保険に加入しておくといいでしょう。

55〜64歳65〜74歳75〜82歳総支払い保険料
定期保険月額保険料2,070円4,020円※5,794円1,287,024円
終身保険月額保険料3,075円1,033,200円
差額253,824円

※75歳〜のみ定期保険がないため、終身医療保険の保険料を適用

参考:アクサダイレクト生命 保険料シミュレーションチューリッヒ生命 保険シュミレーション

まとめ

50代・60代はライフステージの変化が多く、生命保険のニーズも変わる時期です。

子どもの独立や貯金、年収の変化に応じて、必要な保障は大きく変わるでしょう。

経済状況や家族の状況にあわせて、最適な保険プランを選び、より安心した未来につなげてください。


  • この記事を書いた人

マル得ウェブ編集部

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