保険

【保険の再考】新卒社会人・20代独身が入ると損する生命・医療保険はどんなケースなの?

社会人になったら保険に入って一人前、そんな言葉が日本ではよく聞かれます。確かに、保険料が安い、健康上の問題がないことが多く加入しやすいなど、20代で保険に加入するのは大きなメリットです。

 一方で、新卒社会人・20代の人は保険の知識に乏しく、営業マンに言われる通りやなんとなく自分で調べて保険に加入し、損するケースが後を絶ちません。保険は人生で2番目に高い買い物と言われます。できれば失敗は避けたいところです。

 新卒社会人・20代独身が入ると損してしまう生命保険・医療保険のケースを3つ紹介し、入るべき保険と入るべきではない保険を解説します。

不要な定期生命保険に入ったケース

 一人暮らしの新入社員のAさんは保険の営業マンに、「社会人なのだから生命保険くらい入って当たり前だよ」と死亡保障500万円の定期生命保険をすすめられました。定期生命保険とはいわゆる「掛け捨て」の生命保険のこと。保険料を支払っている期間に、死亡など保険金支払い事由に該当した場合のみ、保険金がもらえます。解約時に返戻金が返ってくることはありません。

 ライフネット生命の定期死亡保険は、加入年齢22歳で保険期間10年間の場合、月額たったの591円です。確かに負担は大きくありません。しかし、この保険はAさんにとって損する生命保険です。

 理由はAさんには養う家族がいないから。定期生命保険とは、遺された家族のために加入する保険です。たった月591円でもAさんにとって不要な保険に加入することは、損以外の何者でもありません。Aさんは結局数年間保険料を支払った後、解約することになりました。

必ず必要なお金を定期生命保険で賄おうとしたケース

 Bさんは、自身が死亡した場合に葬式代金やお墓代で500万円必要と耳にし、生命保険の加入を検討しました。独身で養う家族がいなくても、必要な資金として妥当な考え方です。

 Bさんが検討した保険は2つあります。1つは定期生命保険、もう1つは終身生命保険です。終身生命保険は、保障が一生涯続く保険で、さらに掛け捨てではなく解約時に返戻金がもらえます。しかし、その分月々の保険料が割高です。

 オリックス生命で見積もりを出したところ、65歳満了の定期生命保険の保険料は月々975円、65歳までの合計は約50.3万円です。一方の終身生命保険は65歳払済にすると月々7,350円、同じく65歳まで合計すると約380万円です。

 圧倒的に保険料が安い定期生命保険を選んだBさんでしたが、65歳になると大きな差がつきます。定期生命保険を選んでいたBさんは、65歳以降も500万円の死亡保障をもらうためには、引き続き保険料の支払いが必要だと気づいたのです。

 一方で、終身保険に加入していれば、この先の保険料の支払いは不要で500万円の死亡保障は残ります。さらに解約した時の返戻金が約441万円まで膨らんでいることを知るBさん。必ず必要なお金は終身保険で備えればよかったと後悔するのでした。

保険料の安さに惹かれて定期医療保険に入ったケース

 医療保険にも定期型と終身型があります。定期型は10年に1度更新があるタイプ、終身型は一生涯保険料が変わらないタイプです。例えばアクサダイレクトだと、22歳男性の保険料は定期型が720円、65歳払込タイプの終身型が1,180円(ともに入院1日5,000円タイプ)と差があります。定期医療保険の方が保険料が割安です。

 Cさんは保険料の安さを重視して、定期医療保険を選択しました。これが大きな後悔につながります。

 定期医療保険の保険料は10年後に850円、20年後に1,025円と徐々に上がっていきますが、この時点ではまだまだ定期医療保険の方が割安です。しかし、30年後52歳になると1,680円となり、とうとう終身医療保険の保険料を上回ります。最終的に62歳で3,345円まで上がるので、22歳から65歳までの支払額の合計は約63.3万円。これは終身医療保険だった場合の約60.8万円を超えるのです。

 しかし、Cさんは健康に不安を抱えているので、65歳になっても医療保険を継続しなければいけません。終身医療保険であればこれ以上の支払いが不要なのに対し、定期医療保険で保障を受け続けるためは、保険料の支払いが続きます。

 確かに最初は定期医療保険の方が保険料が安いのですが、ずっと加入を続けるのであれば20代のうちに定期医療保険ではなく、終身医療保険に加入しておくべきでした。

新卒社員や独身20代が入るべき保険と入るべきではない保険は?

 ここまでの話を総合して、新卒社会人や独身20代が入るべき保険と入るべきではない保険を考察します。

 まず、定期生命保険はいりません。定期生命保険とは養うべき家族が路頭に迷わないことを目的とした保険です。結婚したり、子供が誕生した時に検討しましょう。

 また、若いうちは終身保険の保険料が安く設定されており、加入のチャンスです。確かに、保険料が安い定期保険を選びがちかもしれません。しかし、葬式費用のように将来必ず使うものや、高齢者になった時にも使える医療保険など、先々のことを考え若いうちに終身保険に入るようにしましょう。

 これらをまとめると、新卒社会人や独身20代が入るべき保険は終身型の医療保険と生命保険です。保障は最低限で構いません。医療保険は入院日額5,000円のもの、生命保険は葬式費用を賄える400〜500万円以内が適切です。

 もちろん、一生涯これで安心というわけではありません。これをベースに結婚や子供の誕生に合わせて、必要な保険を検討し加入するようにしましょう。


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マル得ウェブ編集部

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