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【蓄電池】停電があっても大丈夫?災害時の電気対策に有効なの?

全国的に大雨や強風を巻き起こし突風や土砂崩れにまで至った台風7号、リビア北東部の嵐、ハワイの火災と、2023年も国内外で様々な自然災害が起こりました。なかでも災害大国です。地理的にどうしても地震や台風が発生するためです。

災害時、停電が襲う

もし災害に遭ってしまったとき、最も心配なのは停電です。現代の私たちの生活の大部分は電気に支えられているからです。どれくらいの時間停電しているかにもよりますが、ひとたび停電が起こった場合は非常に不便な生活を強いられるでしょう。電気が通っていなければスマートフォンも充電できず情報を得られません。空調も止まってしまい、停電が長期化すれば冷蔵庫の食材もたちまち傷んでしまうでしょう。特にオール電化住宅の場合は停電してしまうと手も足も出ない状態になってしまいます。電気=ライフラインになりますので蓄電池の設置はマストと言えるでしょう。

 自然災害はいつ起こるか分かりません。そして非常時には冷静な判断ができなくなる可能性が高いため、常日頃から最悪の事態を想定して対策をしておくことが大切です。そこで今回は災害時の停電対策の具体的な方法や費用などについて解説していきます。

災害時に停電が起こる仕組み

 そもそも災害が起こった際、どうして停電が起こるのでしょうか。その仕組みについて説明します。

 電気は発電所で作られ、送電線を通じて各家庭に送られています。暴風で飛ばされたトタン屋根が送電線にぶつかった衝撃で断線したり、土砂災害や大雪で電柱が倒れた場合等は電気の通り道が塞がれることで停電が起こります。また落雷により非常に大きな電気エネルギーが送電設備に流れ込むことでパンクしてしまい停電となるケースもあります。

停電に備えるには蓄電池がおすすめ!そのメリットとは

 最もおすすめなのは蓄電池を導入することです。蓄電池はポータブル電源と呼ぶこともあります。蓄電池は電池を貯めておく設備です。普段から電気を貯めて保管しておけば、非常時に蓄電池にコンセントを挿して停電時でも電気を使うことが可能です。携帯を充電するためのモバイルバッテリーも広義でいえば蓄電池になります。ただし住宅設備としての蓄電池はもっと容量が大きい、家にある家電をしばらく稼働させることができるようなものを指している場合が多いです。容量が大きければ大きいほどたくさんの電気を貯められるということになります。

 ラジオほどの大きさで持ち運びもできるような商品もあります。こういったものであれば非常時以外にもキャンプや車中泊などのレジャーでも活用できます。

 太陽光発電と組み合わせて蓄電池を導入すれば、発電した電気を貯めておき家庭で使うこともできます。使いきれず余った分は電力会社に売電することも可能です。近年は電気代が非常に高くなっていますので、節電のために蓄電池を導入する方も増えています。

電池容量の目安・コスト・商品選びのポイント

 停電対策が目的なら電池容量1000Wh以上の商品が望ましいでしょう。1000Whとは、テレビ稼働に換算すると約13時間連続で視聴できるような電気の量となります。少しずつ電力を使えば2~3日程度の停電であれば凌げるでしょう。2020年12月に国土交通省基本政策懇談会にて用いられた資料によると、千葉県で猛威を振るった2018年の台風15号では停電が99%復旧するまでに約280時間を要しています。こういった長期の停電も極稀にありますので、なるべく大きな容量の商品を選ぶと安心です。メーカーや業者にもよりますが20万円前後かかるケースが多いです。容量が大きく工事業者に取付をしてもらうような機種の場合は別途工事代もかかってきます。

 もう少しお手頃な価格帯だと300Wh~500Whの商品があります。ラジオほどの大きさで持ち運びも可能な商品を選べば非常時以外のキャンプや車中泊など、レジャーでも活用することができます。ただし容量が小さくなるため災害時には心もとないかもしれません。例えば400Whならスマートフォンの充電が約24回できる程度の容量となります。こちらの商品であれば5万円前後から販売されています。

 コンセントが複数口ある商品を選べば、一度に複数の家電を同時に使うことができるためおすすめです。また複数の機器を同時使用することを考えると600Wh以上の容量の商品が安心です。

蓄電池はどこで買えるの?どこに相談したらいい?

 家電量販店、ホームセンター、ECサイトやネットショップ、設備店、工務店、リフォーム店、ハウスメーカーなどで購入できます。下記で紹介する太陽光発電も一緒に取付けたい場合や、大容量の業務用機器を導入したい場合は業者による運搬や取付工事が必要になってきます。そうなると量販店等では対応できないため設備店、工務店、リフォーム店、ハウスメーカーに相談してみましょう。

さらに蓄電池を活用しよう!

 上でも少し触れましたが、蓄電池は災害対策としてはもちろん、太陽光発電と組み合わせて使うことで電気代節約に絶大な威力を発揮します。どういうことなのか詳しく説明していきます。

 蓄電池は電気を貯めることができ、太陽光発電は太陽光を吸収して電気エネルギーを生み出す設備です。もし太陽光発電機だけを導入して発電したとしても、蓄電池がなければせっかく生み出した電気を貯められず、その場で使うか売るかの2択になってしまいます。太陽光発電は太陽が出ている、かつ晴れの日の昼間のみに発電します。昼間も在宅しているなどの理由で発電した電気をリアルタイムで使うことができるならいいのですが、そうでない場合は非常にもったいない状態となってしまいます。なぜもったいないかというと、近年は売電価格が右肩下がりで「電気を電力会社から買った場合の金額>発電した電気を売った場合の金額」になります。つまり、発電した電気は売るよりも自分で使ったほうが得なのです。

 また蓄電池や太陽光発電は非常にエコな設備になりますので国を挙げて推進しています。タイミングが合えば補助金がもらえるケースもあります。2023年9月現在、国としては補助金制度を実施していませんが、お住まいの各自治体独自で補助金を実施しているかもしれません。導入を検討している方はぜひ一度調べてみてください。

まとめ

 蓄電池が災害対策に有効であること、蓄電池の選び方、価格、太陽光発電と組み合わせて使うと節電にもなりお得になること等をお伝えしました。備えあれば憂いなしと言いますし、興味を持たれた方は安心な生活のためにもぜひ蓄電池の導入を検討してみて下さい。


・『災害時の電源確保と電力安定供給への新しい流れ』国土交通省基本政策懇談会 2020年12月15日 中川聡子(東京都市大学名誉教授)

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001381194.pdf

・『再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します』

https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230324004/20230324004.html

・経済産業省資源エネルギー庁 FIT・FIP制度 買取価格・期間等(2012年度~2021年度)

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html

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マル得ウェブ編集部

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